先日、2年ぶりの友人と再会しました。
オンラインではなく、リアルで会うことはやはりエネルギーが違いますし、いいですね。
彼らとは20代半ばの頃に一緒にコミュニティ運営やイベントを定期的に開催してきた仲間です。
一時期は最低でも週に1回は必ず会っていて、コミュニティの立ち上げと運営に邁進していました。
そこで近況報告などを兼ねてこの2年間の穴を埋めるような話や、お互いの将来の話を昼間からしていたんですが、2年のブランクがあっても、まったく違和感がない。
過去の話も含めて、未来の話が一緒にできることはとてもありがたい時間だなと思いました。
そして、ふと自分の頭の中に、「いまそうした友人がいるということは、過去の自分の行動や種まきがあったからなわけで、過去の自分に感謝したいな」と突如思えたんです。
友人たちとの会話の中でも、「あのコミュニティは今思えばもっと上手くやれたけど、ほんとあの時代があって良かったよね。」
そんな言葉が口から出てきました。
そこで思い出したのがDropboxの創設者ドリュー・ヒューストンのMIT（マサチューセッツ工科大学）で行われた卒業式でのスピーチです。
私はこの話を知ってから、この話が大好きですし、自分と重ね合わせても共感する話です。
セミナーやYouTubeなどでもよくこの話は紹介してきましたが、こちらでもご紹介します。
この記事のもくじ
ドリュー・ヒューストンのスピーチに出てくる３つのキーワード
スピーチについてご紹介します。
Dropboxの創設者であるドリュー・ヒューストンは2013年に、母校のMITで卒業する後輩たちに向けてスピーチを行います。
そのなかで、自分が卒業式の時に欲しかった成功へのカンニングペーパー（原文ではcheat sheetと言っています）には、テニスボール、サークル、30,000という数字の３つの単語が書かれていると言うのです。
それぞれドリュー・ヒューストンのスピーチを引用しながらご紹介していきます。
テニスボール
最も幸せで成功している人たちは「自分の好きなことをしている人」という訳ではないんです。
”自分にとってのチャレンジを攻略することに夢中になっている人”で、その人にとっては、それがとても大切なことです。そんな人たちは、「テニスボールを追いかける犬」に似ています。
彼らの目は狂気を宿しているほどです。
リードを振り払って、駆け出し、何があっても、ボールを追いかけます。
私の友人にも、沢山働いて沢山お金を稼いでいる人はいます。でもみんな、仕事机に縛られているみたいだと愚痴をこぼします。
問題は、多くの人が、すぐには自分のテニスボールを見つけられないということです。
ドリューは、最も幸せで成功している人たちというのは自分の好きなことをしている人ではなく、自分にとってのチャレンジを攻略することに夢中になっている人と話しています。
その理由は、「好きなことを仕事に」と言うと、みんな自分のしていることを嫌いな仕事だと思いたくなくて好きなことだと思いたい。
だから、「好きなことを仕事に」というのは意味がなく、「攻略することに夢中になっている人」なんだそうです。
そして、そういう人っていうのは、「テニスボールを追いかける犬」に似ていると。
確かに、犬がボールを追いかける時って、リードに繋がれていてもそれを振り払うように、そして周りの声も聞こえないくらい、一心不乱に追いかけますよね。
私も犬を飼い始めてから、この例がさらによくわかるようになりました。
犬はボールを追いかけるときはわき目も降らず、一心不乱です。
そして、このテニスボールってのは、すぐには見つけられないとドリューは言ってます。
でも、いつも頭の中の小さな声が正しいんだと。
実は、ドリューも最初からDropboxを開発するために会社を起こしたのではなく、一番最初は日本でいうセンター試験に当たるSAT試験の対策講座をオンラインで提供する会社を始めたんです。
ドリューはこのSAT試験の対策を立てることで覇者になることは自分のテニスボールではなく、Dropboxの開発は気分転換のために遊びでやっていたことだったと言っています。
だから、これから必要なことは、自分自身を一生懸命追い詰めることではなく、自分を惹きつけるテニスボールを見つけることだと。
「それは時間がかかることかもしれません。でも見つかるまでは、自分の声に耳を傾け続けてください」と。
このセリフが私はとても印象的です。
私自身はいまでもずっとテニスボールを見つけている最中なのだと思います。
サークル
私が学んだことの1つは、刺激的な人々に囲まれていることは、才能があることや一生懸命働くことと同じくらい重要であるということです。
（中略）
自分の尊敬する人達と出会い、彼らから学べることはとても大きなメリットです。
尊敬する人達が自分のサークルの一部になるのです。そして彼らから学んで下さい。
もしも他の場所で、自分の中で真の何かが動き出したのなら、そこへ引っ越すべきです。
よく、自分の身近な人の5人の平均が自分だと言いますよね。
つまり、憧れの人を自分と最もよく過ごす５人のうちの１人の輪＝サークルの中に入れてしまえば、おのずと自分が引き上げられていくということです。
自分の心の中で、あのコミュニティは素敵だな、あの人はカッコいいなと反応したものがあったら近づく努力をしたほうがいいということですね。
ときどき、憧れの人がすごすぎて会えるはずもないということを耳にします。
例え憧れる本人に直接出会えなくても、その人の本を読む、SNSを見る、動画を見るなどすることでその人の考えに触れることは、サークルの中に入れるに近いことができます。
30,000
「あなたの人生は30,000日」という言葉を見つけました。
最初は深く考えなかったのですが、なんとなく電卓で24歳×365日と打ち込みました。
もう9,000日近く終わっている！さあこれが「成功へのカンニングペーパー」に「30,000」と書かれていた理由です。
その夜、もう準備をしている暇なんてない、練習は終わりだ、リセットボタンなんて無いんだと思いました。毎日、私たちは少しずつ自分の人生の物語を綴っていきます。
そして、いつか死ぬ日の物語は「ドリュ－ココに眠る、かれは174番目に死にました」などという文章ではないはずです。
だから僕は人生をパーフェクトにするのではなく、おもしろい人生にしようと。自分の人生の物語をアドベンチャーにしたいのです。
その気持ちが他人との差となるのです。
何歳まで生きるか、人の寿命は様々です。
でも、おおよそ人の人生は30,000という数字で表せてしまうことに驚きました。
よく人生は一度きり、やった後悔はしないけどやらなかった後悔は大きい、などと言われます。
でもそれを本当に自分の行動に移して、どこまで自分の人生をアドベンチャーにできているのか？
いつまでも準備中になっていないか？
これを改めて自問自答しました。
私自身、人生は楽しむこと、アドベンチャーにすることはとても魅力的な人生になると考えているので、これからも忘れないようにしたい言葉です。
まとめ
先日再会した友人たちと知り合ったきっかけですが、私は社会人１，２年目のとき会社が嫌で嫌で仕方ありませんでした。それをなんとか抜け出して、自分の性格や態度などがものすごく変化したのが社会人3年目の頃でした。
この現状打破の要因はまさにテニスボール、サークル、30,000というこのキーワードに当てはまっていました。
なぜなら、私が変わったきっかけは自分が勉強したい分野を見つけ、そのコミュニティに参加することで濃ゆい友達を得て、さらに行動して失敗を恐れずにいろんなことに挑戦をしてきたからです。
私自身はこれからの人生に、これら３つのキーワードが重要であることは間違いないなと確信しています。
これからの人生をもっともっとチャレンジしたいと思っている方に、このドリュー・ヒューストンのスピーチの３つのエッセンスが届きますように。
参考
スピーチの映像と原文はこちらから確認しました。
例えば、学生時代に試合や発表会のために夜遅くまで毎日練習した部活動、文化祭のために部活やクラス一丸となって準備したあの日々、などなど。